ホタルの独り言 Part 2

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オオイチモンジ属

~分類まとめ⑮~

 このブログでは、個別に記事掲載している種を分類上同じグループでまとめた記事を時々掲載してきた。(カテゴリー:昆虫分類まとめ)今回は、オオイチモンジ属と題して3種をまとめてみた。

 オオイチモンジ属(Genus Limenitis)は、タテハチョウ科(Family Nymphalidae)イチモンジチョウ亜科(Subfamily Limenitidinae)に分類され、日本に生息するオオイチモンジ属は以下の3種類だけである。(ヤエヤマイチモンジ Athyma selenophora(Kollar)は、和名に「イチモンジ」と付いているがシロミスジ属である。)

  • イチモンジチョウ Limenitis camilla japonica Menetries, 1857
  • アサマイチモンジ Limenitis glorifica Fruhstorfer, 1909
  • オオイチモンジ Limenitis populi jezoensis Matsumura, 1919

 イチモンジチョウは、北海道、本州、四国、九州の低山地の渓流沿いの樹林周辺に生息し、都市郊外でも普通に見られるが、アサマイチモンジは、昭和11年(1936年)に初めて浅間山麓で発見された本州特産種で、分布も局所的で個体数も少ない。両種は形態的に似るが、前翅中室に明瞭な白紋が現れる違いがある。 また、前翅3室の白紋はアサマイチモンジは表裏とも明瞭に現れるが、イチモンジチョウでは欠落するか小型である。オオイチモンジは、北海道および本州甲信越から中部地方の高山にのみ分布するが、本州産は個体数が非常に少ない。
 オオイチモンジは、近年の温暖化が影響しているのか、生息域の標高が上昇し、生息域の面積が縮小傾向にあると同時に、河川改修によるドロノキの伐採や、針葉樹の植林によるヤマナラシの減少等の理由により絶滅が危惧されており、環境省RDBでは、絶滅危惧Ⅱ類(VU)として記載、比較的生息数の多い北アルプスがある長野県、岐阜県、富山県のRDBでは、準絶滅危惧種として記載している。尚、埼玉県では絶滅したと言われている。群馬県、長野県、山梨県では県指定の天然記念物であり、また長野県においては、種の保存法および関連した都道府県条例での指定種となっており、これらの県での採集はできない。オオイチモンジは、2015年と2016年に長野県の上高地にて撮影した。
 イチモンジチョウに似るメスグロヒョウモン属のメスグロヒョウモン Damora sagana (Doubleday, 1847)のメスの写真も比較のために掲載した。

イチモンジチョウの写真イチモンジチョウ

アサマイチモンジの写真アサマイチモンジ

オオイチモンジの写真オオイチモンジ

メスグロヒョウモン(メス)の写真メスグロヒョウモン(メス)

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*以下のサムネイル写真は、クリックしますとオリジナルサイズで拡大表示されます。

イチモンジチョウ

イチモンジチョウの写真 イチモンジチョウの写真 イチモンジチョウの写真

アサマイチモンジ

アサマイチモンジの写真 アサマイチモンジの写真 アサマイチモンジの写真

オオイチモンジ

オオイチモンジの写真 オオイチモンジの写真 オオイチモンジの写真 オオイチモンジの写真

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