ギフチョウとヒメギフチョウの季節である。本2種は、いずれもアゲハチョウ科(Family Papilionidae)ウスバアゲハ亜科(Subfamily Parnassiinae)ギフチョウ属(Genus Luehdorfia)に分類される日本固有種で、わが国には、この2種が生息している。初夏ころからずっと蛹で過ごし、林床にカタクリやスミレが咲き始める春先にだけ出現する「春の女神」(スプリング・エフェメラル)である。
本2種ともに丘陵地、低山、山地のコナラ・クヌギなどの落葉広葉樹林やアカマツ林、植栽直後のスギ・ヒノキ幼令林など早春に太陽が地表にさしこむような明るい林に生息しており、力強く羽ばたくというよりは、「ヒラヒラと舞う」ような可憐な飛び方で林内を舞う。カタクリやスミレなどの花を求めて飛んでくるが、わずかな時間だけ蜜を吸うと、すぐにまた飛び去ってしまう。撮影するもの一苦労である。
ギフチョウとヒメギフチョウは、強い飛翔力がなく他の生息地との行き来がないため、小さな地域個体群ごとに翅形や翅のサイズ、前後翅の黄色条または黒色条の幅、後翅肛角部の赤斑、斑紋の細部形状などに違いがある地理的変異が知られているが、同一地域個体群の中でも長野県白馬村で見られるイエローバンドなど常染色体劣性遺伝により引き継がれている形質もある。また更には、斑紋には様々な個体変異があり、赤上がり、イエローテールなどが知られ、斑紋異常による異常型も存在している。
これらの変異差を求めて、これまで神奈川県、長野県、群馬県、新潟県にてギフチョウとヒメギフチョウの撮影を行ってきたので、蔵出し写真を含めて、すべて再現像してまとめてみた。
*以下の掲載写真は、クリックしますと別窓で拡大表示されます。
ギフチョウ
Luehdorfia japonica Leech, 1889

ギフチョウ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F6.3 1/3秒 ISO-100 +1.3EV

ギフチョウ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F6.3 1/3秒 ISO-100 +1.3EV

ギフチョウ(赤上がり)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F6.3 1/3秒 ISO-100 +1.3EV

ギフチョウ(イエローバンド)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F6.3 1/3秒 ISO-100 +1.3EV

ギフチョウ(イエローテール)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F6.3 1/3秒 ISO-100 +1.3EV

ギフチョウ(産卵)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F6.3 1/3秒 ISO-100 +1.3EV
ヒメギフチョウ
Luehdorfia puziloi (Erschoff, 1872)
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