ホタルの独り言 Part 2

ホタルをはじめ、様々な昆虫の写真や自然風景の写真を掲載しています

雨あがり、茜富士の刻

~蔵出し写真⑦~ 雨上がりの峠しっとりと濡れた空気の中に、世界が新しく息づきはじめていた 澄みきった空の青は、まるで心の奥まで洗い流すよう眼下には、靄に包まれた湖と山々が、静かに夢の続きを見ている その上を流れる雲が、夕陽に溶けてゆくそして遠…

残り紅葉と霧氷

~蔵出し写真⑥~ 11月中旬の美ヶ原高原。残り紅葉に霧氷がそっと触れる。秋の名残と冬の気配が静かに交わるこの時期ならではの光景。朝の光が差し始めると、紅と白がやわらかく溶け合っていく。澄み切った空気と静けさの中で、短い季節のはざまに見られる奇…

星のリフレクション

星のリフレクション風ひとつない夜、湖面は鏡のように静まり返り、無数の星がそこに身を寄せていた。空と水の境が消える瞬間、時が止まったように感じる——。 空で瞬き、湖面では揺らぐ星々を見ていると、不思議な感覚に包まれる。夜の静寂が、宇宙と心をつな…

紅葉と渓流の調べ

~蔵出し写真⑤~ 紅葉と渓流の調べ・・・それは、自然の静と動、温と冷が交わる美しい情景 渓流のせせらぎに、秋が映る赤や金に染まった葉が、水面をゆらりと渡っていく風が静かに吹き抜け、季節が語りかける紅葉と流れが奏でる、ひとときの調和 山の息づか…

ミスジチョウ属

~分類まとめ⑯~ このブログでは、個別に記事掲載している種を分類上同じグループでまとめた記事を時々掲載してきた。(カテゴリー:昆虫分類まとめ)今回は、ミスジチョウ属と題してリュウキュウミスジを除く撮影済みの5種をまとめた。 ミスジチョウ属は、…

印旛沼の朝焼け

~蔵出し写真④~ 印旛沼は、ブログに「印旛沼の夜明け」として4枚の写真を掲載しているが、以下の3枚はその時に掲載しなかった蔵出し写真である。「夜明け」の記事では、数十枚と撮影したカットの中でも、穏やかな印旛沼の水面に映る空の雲の色彩を意識し…

秋雨のあとの棚田

~蔵出し写真③~ 新潟県十日町市松之山・松代地域に点在する棚田は、越後松代棚田群として「にほんの里100選」に選ばれており、中でも代表的な「星峠の棚田」「蒲生の棚田」「儀明の棚田」には2013年から何度となく訪れ、夕日に染まる桜が田んぼの水鏡に映る…

オオイチモンジ属

~分類まとめ⑮~ このブログでは、個別に記事掲載している種を分類上同じグループでまとめた記事を時々掲載してきた。(カテゴリー:昆虫分類まとめ)今回は、オオイチモンジ属と題して3種をまとめてみた。 オオイチモンジ属(Genus Limenitis)は、タテハ…

滝の拝

~蔵出し写真②~ 滝の拝(たきのはい)は、和歌山県古座川町を流れる古座川の支流である小川(こがわ)にある、滝と多数の甌穴群からなる渓谷である。2021年10月末にサツマシジミの撮影で和歌山を訪れた時、道の駅・瀧之拝太郎で車中泊をしたのだが、そこは…

緑の記憶― シダが語るもの

~蔵出し写真①~ このブログはホタルをはじめ、様々な昆虫や自然風景の「写真」を掲載しており、「写真」が主役であるが、昨今は庭の草花を撮ったくらいで、何と7月23日以来、全く写真撮影に出かけていない。 仕事の都合や天候の問題が原因だが、「はてなブ…

熊に遭遇

全国で熊による人身被害が相次いでいる。環境省によると、熊による犠牲者数は10月8日時点で7人となり、過去最多だった23年度を抜いた。けが人を含めた人身被害の件数は4~9月に99件(108人)に上り、過去最悪ペースで推移しているという。 私も、過去に7回…

オナガアゲハ

オナガアゲハ Papilio macilentus(Janson, 1877)は、アゲハチョウ科(Family Papilionoidea)アゲハチョウ属(Genus Papilio )のチョウ。 北海道・本州・四国・九州に分布し、都市部よりも丘陵地帯の雑木林や山地の渓谷沿いなどを主な生息域にする。クロ…

我が家の庭づくり(4)~10月~

10月中旬になり、ようやく秋らしい気候になってきた。急に元気になって咲きだしたのがユリ科のホトトギス。シソ科のヤマハッカが広がるように茂り、穂状に沢山咲く青紫色の小さな花とシュウメイギクのピンク色のコントラストが美しい。 久しぶりにTAMRON SP …

森の朝

朝の光の中にあるもの 朝の光が森を包むとき静寂の中に小さな鼓動が目を覚ます。 露をまとった草は光を宿し鳥の声が空気を震わせる。 それは、始まりの合図。まだ誰の手も触れていない時間がやさしく息づいている。 朝の光の中にあるもの・・・それは、静け…

ヒガンバナとチョウ

ヒガンバナとチョウの写真を過去撮影のものばかりだが集めてみた。 ヒガンバナは、秋分の日(2025年は9月23日)を中心とした秋の彼岸の頃に咲くことから名づけられた花である。別名「曼殊沙華(まんじゅしゃげ)」は、サンスクリット語で「天界に咲く花」で…

我が家の庭づくり(3)~夏から秋へ~

我が家の庭づくりの現状報告をしたい。 今年の2月に「我が家の庭づくり~コケ庭と山野草園」を4月に「我が家の庭づくり~その2」記してから5ヵ月が過ぎた。 山野草園には、当初、様々な山野草を植えたが、今年の夏の猛暑と日当たり具合で、かなりの苗がダ…

汀(みぎわ)

寄せては返す白い波砂の上に描かれる一瞬の模様次の波が来れば すぐに消えてしまう その儚さに なぜか心はやすらぐ 陽を映す水面は無数の宝石をこぼしたように輝き風は潮の香りを運び遠い記憶をそっと呼び覚ます 汀は、心と海が出会う場所 掲載写真は、クリ…

秋に見られるシジミチョウ

秋に見られるシジミチョウをまとめてみた。 猛暑酷暑の2025年の夏。9月になっても秋の気配すら感じない。この暑さはいつまで続くのかも分からず、今年は「秋」は来ないかも知れないとさえ思うこの頃であるが、体内時計を持つ昆虫たちを観察すると季節は確実…

クロツバメシジミ

クロツバメシジミ Tongeia fischeri(Eversmann, 1843)は、シジミチョウ科(Family Lycaenidae)ヒメシジミ亜科(Subfamily Polyommatinae)ヒメシジミ族(Tribe Polyommatini)クロツバメシジミ属(Genus Tongeia)のチョウである。2013年に撮影し、当時記…

トンボの飛翔を撮る

飛んでいるトンボを写真に撮る

黄道光クロス

黄道光クロスは、黄道光と天の川が夜空で交差し、まるで「巨大なX字型」に見える幻想的な天文現象です

直瀑の奥深き美

日本には美しい滝がいくつもあり、その美しさ、音、マイナスイオンで心と体を癒やしてくれる。多くはないがいくつかの滝を撮影しており、日本滝100選に選ばれている名瀑とホタルの写真も撮っている。周辺の自然環境と一体となった滝も美しいが、滝そのもの、…

ホタルは卵も光る?

ホタルは卵も光る? 本当である。 ホタルは光る昆虫であることは多くの方々が知っている。ただし、成虫が光るのは「求愛のためである」ことを知っている方々は、意外と少ない。そして、光らないホタルもいると言うことを知っている方はもっと少ない。 ちなみ…

ホタルが見たい!ホタル舞う幻想情景集

ホタルが見たい!ホタル舞う幻想情景集~癒しの光が導く映像紀行~ ホタルが見たい!ホタル舞う幻想情景集(動画の再生ボタンをクリックした後、設定ボタンをクリックして、画質から1080p60 HDをお選び頂きフルスクリーンにしますと高画質でご覧いただけます…

gooブログから引っ越ししてきました

2025年11月18日でサービスを終了するとのことで goo blog から引っ越してきました。 ホタルの生態と生息環境を研究して53年。保全活動もしてます。ブログには、ホタルだけでなく、様々な昆虫の生態写真や自然風景の写真も掲載しています。 皆様、どうぞよ…

ホソミモリトンボの生態

ホソミモリトンボ Somatochlora arctica (Zetterstedt, 1840)は、エゾトンボ科(Family Corduliidae)エゾトンボ属(Genus Somatochlora)で、2011年7月に尾瀬ヶ原で見たのが最初であるが、証拠にもならない写真しか撮れなかった。その後、毎年のように別の…

タカネトンボの羽化

タカネトンボ Somatochlora uchidai Forster, 1909 は、エゾトンボ科(Family Corduliidae)エゾトンボ属(Genus Somatochlora)で、北海道・本州・四国・九州・屋久島に分布している。和名の“タカネ”は、高嶺(高い山、高い峰の意)にちなんでいると言われ…

信州のヒメボタル

信州のヒメボタルの観察と撮影に行ってきた。長野県におけるヒメボタルの観察と撮影は今回が2か所目。前回は、2021年7月24日に標高1,450m付近に生えるカラマツとブナ、ミズナラの混合林に生息するヒメボタルで、「ヒメボタル(長野2021)」として掲載してい…

ヒメボタル 東京都内の生息地

ヒメボタルは東京都内にも生息しており、秩父多摩甲斐国立公園の標高およそ700m~1,200mのブナとミズナラ、シラカンバの天然林とスギの人工林からなる山地には、局所的ではあるが、かなり広範囲に生息している。2004年から探索し観察と撮影を行っており、こ…

ホタルの写真に思うこと

ホタルの写真と言っても色々あるが、大きく分けると「成虫や産卵から羽化までを撮った写真」と「成虫が発光飛翔した様子を写した写真」この2種類に分類できるだろう。前者は、ホタルの生きざまを記録した「生態写真」で、後者は広い意味で考えれば「風景写…