2018-01-01から1年間の記事一覧
2018年の最後は、この一年に撮影した自然風景写真で締めくくりたいと思う。 今年は、例年になく自然風景写真にも力を注いできた。夏場は昆虫との出会いに奮闘し、秋以降は前立腺癌の手術もあったため、季節的には限定されたものが多いが、今年から「星空」を…
今年も本年撮影した写真の中から自己ベスト10を選んで締めくくりたいと思う。本記事は昆虫、次に自然風景をまとめた。 私は、ホタルの生態や生息環境を研究し保全活動をしているが、「ホタルしか知らない人間にホタルの事は語れない。」という信条から、他の…
有明の月とは、陰暦16日以後、夜が明けかけても、空に残っている月のことを言う。 極楽も 地獄も先は有明の 月の心に かかる雲なし この句は、上杉謙信が死を迎える往生際に「やれるだけのことはやりきった。もう澄みきった曇りなき月のように 怖るることは…
Fight Cancer 癌と闘う・・・ノーベル医学生理学賞を受賞した本庶佑京都大特別教授は、「免疫力は癌と闘うカギになる」と強調し、癌の免疫療法の道を開いた。そんな報道を見ながら、私は前立腺全摘手術(前立腺全摘除術とも言う)を受けた。 前立腺癌は、中…
いつも、「ホタルの独り言 Part 2」をご覧頂き、ありがとうございます。昨今、前立腺癌と診断され、12月4日から13日まで前立腺の全摘手術のため入院することになりました。申し訳ございませんが、しばらくの間、ブログの投稿をお休みさせていただきます。退…
四季の自然風景と題して、2010年から2017年の間に撮影した自然風景の中から16点を選んでみた。ここで今一度初心に戻って、私自身のために、自然風景写真に対する考えを整理しておきたいと思う。 1975年、OLYMPUS OM-2 というフィルムカメラで写真を撮り始め…
シルビアシジミ Zizina emelina emelina (de l'Orza, 1869) は、シジミチョウ科(Family Lycaenidae)ヒメシジミ族(Tribe Polyommatini)シルビアシジミ属(Genus Zizina)に分類される体長10mmほどのシジミチョウで、昆虫学者でもあった中川和郎氏(国立が…
天使のはしごとは、雲間から光が漏れて、太陽光線の柱が地上へ降り注いで見える自然現象のことである。「天使のはしご」という呼び名は、ヤコブが夢の中で、雲の切れ間から差す光のような梯子が天から地上に伸び、そこを天使が上り下りしている光景を見たと…
テングチョウ Libythea celtis Moore, [1858] は、タテハチョウ科(Family Nymphalidae)テングチョウ属(Genus Libythea)で、国内には本種1種のみが生息している。ただし、日本本土亜種 Libythea celtis celtoides と琉球亜種 Libythea celtis amamiana …
日本ではここ100年の間に年平均気温が約1℃上昇し、昨今では豪雨による自然災害も頻発するなど気象の大きな変化が目立っているが、この変化は生物の世界にも変化を及ぼし、桜の開花が年々早まる現象が起きている。影響は植物のみならず昆虫にも変化が見られ…
今年もあと二ヶ月。12月は癌の手術で入院するため、ほとんど遠征ができないので、今月が事実上の締め。昆虫撮影は天候と気分次第で「サツマシジミ」を予定。自然風景写真は、奥日光の小田代ヶ原の霧氷、美ヶ原の霧氷、新潟の星峠及び蒲生の棚田を予定してい…
ウチワヤンマ ウチワヤンマ Sinictinogomphus clavatus clavatus (Fabricius, 1775) は、サナエトンボ科(Family Gomphidae)ウチワヤンマ属(Genus Sinictinogomphus)で名称に「ヤンマ」と付くが、サナエトンボの仲間である。青森県から鹿児島県に至るまで…
ギンヤンマ Anax parthenope julius Brauer, 1865は、ヤンマ科(Family Aeshnidae)ギンヤンマ属(Genus Anax)のトンボ。比較的多く目にするヤンマの代表種でありながら、これまであまり撮っていなかった。今回、産卵の様子を撮ったので、過去に撮影した写…
スナアカネ Sympetrum fonscolombei (Selys, 1840)は、トンボ科(Family Libellulidae)アカネ属(Genus Sympetrum)で、体長37~46mmと小さく、翅の基部に橙色の斑紋を持つ。胸部が灰青色で雌雄ともに複眼の下面が青みを帯びるのが大きな特徴である。成熟し…
ネキトンボ Sympetrum speciosum speciosum Oguma, 1915 は、トンボ科(Family Libellulidae)アカネ属(Genus Sympetrum)で、和名は翅の基部が橙色をしているところに由来する。国内では東北地方以南に分布し、平地、丘陵地、山地の木陰のある植生の豊かな…
ヒメカマキリ Acromantis japonica Westwood, 1889 は、ハナカマキリ科(Family Hymenopodidae)ヒメカマキリ亜科(Subfamily Acromantinae)ヒメカマキリ属(Genus Acromantis)。日本のカマキリ類は、カマキリ科(Family Mantidae)とハナカマキリ科(Fami…
タイリクアカネ Sympetrum striolatum imitoides Bartenef, 1919 は、トンボ科(Family Libellulidae)アカネ属(Genus Sympetrum)で、同属のアキアカネ Sympetrum frequens (Selys, 1883) に似ているが、一回り大きく、肢のけい節の外側が黄褐色をしている…
カトリヤンマ Gynacantha japonica Bartenef, 1909 の青眼型メスを撮影したので紹介したい。 ヤンマ科において雌雄の体色が異なる種の中には、複眼、胸部、腹部の斑紋の色がオスと同じ色になる「オス型メス」というものが出現する。特に顕著なのがルリボシヤ…
ナニワトンボ Sympetrum gracile Oguma, 1915は、トンボ科(Family Libellulidae)アカネ属(Genus Sympetrum)で、いわゆる"赤とんぼ"の仲間であるが、オスは成熟しても赤くならずシオカラトンボのように青灰色の粉を吹く、言わば"青い赤とんぼ"である。日…
オオキトンボ Sympetrum uniforme (Selys, 1883)は、トンボ科(Family Libellulidae)アカネ属(Genus Sympetrum)で、体に明瞭な斑紋がなく、脚も含めて一様に緑味のある橙黄色をもつトンボである。北海道から九州まで分布し、平地から丘陵地におけるため…
ルリボシヤンマの青色型オス(写真1及び2)完全ではないが長野県において撮影したので掲載したい。 ルリボシヤンマ Aeshna juncea juncea (Linnaeus, 1758)は、ヤンマ科(Family Aeshnidae)ルリボシヤンマ属(Genus Aeshna)で、氷河期に繁栄し、その遺存種…
御射鹿池は、長野県茅野市の奥蓼科温泉郷に通じる「湯みち街道」沿いにある小さな農業用ため池で、その幻想的な風景から農水省により「ため池100選」にも選ばれている。テレビのCMにも使われ、今では大勢が訪れる観光スポットになっており、誰もがカメラを向…
オオルリボシヤンマの青メス(オスに似た体色をもつオス型メス)については、前記事「オオルリボシヤンマ(オス型メス/新潟)」で触れているが、今回、同じ地区の池に再度訪問し、多くの個体を撮影したところ、体色には個体によって様々な出現パターンがあ…
オオルリボシヤンマのオス型メスを新潟県内で撮影した。また、生息地には3つのタイプのメスが見られたので報告したい。 ヤンマ科で雌雄の体色が異なる種の中には、オスに似た体色をもつメス、いわゆるオス型メスが遺伝的に固定された個体変異として出現する…
天の川は、およそ2000億の恒星が集まって形成する銀河系(天の川銀河)のことであり、地球のある太陽系はその一部であるから銀河系を内部から見ることになる。天の川は、英語でMilky Way(ミルキーウェイ)と言われ、夜空を横切るように存在する雲状の光の帯が…
カラスアゲハ Achillides dehaanii C. Felder et R. Felder, 1864 は、アゲハチョウ科(Family Papilionidae)ルリモンアゲハ属(Genus Achillides)のチョウで、北海道・本州・四国・九州・沖縄に分布している。食草は、ミカン科のコクサギ、キハダ、サンシ…
~分類まとめ⑫~ 日本におけるタテハチョウ科(Family Nymphalidae)キタテハ属(Genus Polygonia)は、以下の2種が生息している。 キタテハ属 Genus Polygonia キタテハ Polygonia c-aureum c-aureum(Linnaeus, 1758) シータテハ Polygonia c-album hamige…
御射鹿池は、長野県茅野市の奥蓼科にある小さな農業用ため池だが、私の叔父の友人であった東山魁夷画伯の「緑響く」(1982年制作)という名画のモデルにもなり、その幻想的な風景から、農水省により「ため池100選」にも選ばれている池である。様々なテレビ・…
オオルリボシヤンマのメスは、通常、複眼と腹部の斑紋が黄緑色であるが、他に複眼と腹部の斑紋が青色のタイプ(オス型メス)や腹部の斑紋のみが青色のタイプが見られ、昨年、兵庫県と新潟県で撮影している。今回、複眼の半分だけが青色のタイプを撮影したの…
ルリボシヤンマ Aeshna juncea juncea (Linnaeus, 1758)は、ヤンマ科(Family Aeshnidae)ルリボシヤンマ(Genus Aeshna)属で、日本では、北海道、本州、四国に分布している。7月頃より羽化し10月頃まで多く見られる大型のヤンマで、同属のオオルリボシヤ…