ホタルの独り言 Part 2

ホタルをはじめ、様々な昆虫の写真や自然風景の写真を掲載しています

トンボ/ヤンマ科

コシボソヤンマ

コシボソヤンマ Boyeria maclachlani (Selys, 1883)は、ヤンマ科(Family Aeshnidae)コシボソヤンマ属(Genus Boyeria)で、北海道・本州・四国・九州(種子島、屋久島)に分布し、6月下旬から9月末ころまで見られる。朝と夕方に活発に活動する黄昏ヤンマ…

猛暑日はマルタン・ネアカ

一日の最高気温が摂氏25度以上の日を「夏日」、30度以上の日を「真夏日」、35度以上の日を「猛暑日」と言うが、ここ数日は連日の猛暑で、10年に一度の暑さであるという。昼間は、屋外での運動は危険であり、冷房の効いた室内にいたい。しかしながら、こんな…

カラスヤンマ

カラスヤンマ Chlorogomphus brunneus brunneus Oguma, 1926 は、ミナミヤンマ科(Family Chlorogomphidae)ミナミヤンマ属(Genus Chlorogomphus)のトンボで、沖縄本島北部のやんばる地域にのみ分布している。山間の渓流源流域に生息し、4月中旬~8月下…

サラサヤンマ

サラサヤンマ Sarasaeschna pryeri(Martin, 1901)は、ヤンマ科(Family Aeshnidae)サラサヤンマ属(Genus Sarasaeschna)のヤンマである。サラサヤンマは北海道から屋久島にまで分布し、丘陵地や低山地のほとんど水のない小さな湿地や休耕田などに生息し…

トビイロヤンマ

トビイロヤンマ Anaciaeschna jaspidea (Burmeister, 1839)は、ヤンマ科(Family Aeshnidae)トビイロヤンマ属(Genus Anaciaeschna)のトンボで、成虫はオスメスとも体の地色は赤褐色で、和名の「鳶色」はここに由来する。性成熟したオス成虫の複眼は淡青色…

新潟のトンボ池

新潟のトンボ池は各地域に多数存在しており、これまで4カ所の池にて、オオトラフトンボ、カラカネトンボ、マダラナニワトンボ、キトンボ、ルリボシヤンマ、オオルリボシヤンマ等を観察し撮影してきた。数種が混在して生息している池もあるが、それぞれの種…

カトリヤンマ(8月)

過去に撮影したものと同じような絵は撮りたくない。できれば未だに撮影したことがない風景や昆虫の写真を撮りたい・・・8月14日の「セミの抜け殻に思う」の記事投稿の冒頭で記した。どの季節においても、その思いは変わらないが、遠征先で出会えば必ずと言っ…

マルタンヤンマ

マルタンヤンマ Anaciaeschna martini (Selys, 1897)は、ヤンマ科(Family Aeshnidae)トビイロヤンマ属(Genus Anaciaeschna)のトンボで、本州の関東以南・四国・九州、および周辺の離島に分布し、木立に囲まれた挺水植物の茂る池沼に生息する。朝夕の薄暗…

ルリボシヤンマ属の青色型メス(オス型メス)

ルリボシヤンマ属(Genus Luehdorfia)は、国内に以下の4種が生息しており、これら4種のメスには、青色型メス(オス型メス)が存在する。ここでは北海道にのみ生息するイイジマルリボシヤンマ(未撮影)を除く3種の青色型メス(オス型メス)について、こ…

オオルリボシヤンマ メスの体色変異

オオルリボシヤンマ Aeshna crenata Hagen, 1856のメスには、青色型(オス型メス)と緑色型(メス型メス)が存在することは前記事「オオルリボシヤンマの青色型メス(松本市)」で述べているが、青色型は緑色の基本形質に青色が出現する変異であり、こうした…

オオルリボシヤンマの青色型メス(松本市)

オオルリボシヤンマの青色型メスを長野県松本市で撮影したので紹介したいと思う。 9月7日にフィリピンの東で発生した台風14号は、17日(金)に福岡県に上陸(福岡県に台風が上陸するのは初)、翌18日午前3時には東海道沖で温帯低気圧に変わったが、前線や湿っ…

ルリボシヤンマの静止飛翔

ルリボシヤンマの静止飛翔の写真を撮影したので掲載したいと思う。 このブログは、基本的に「今日はこんな所に行ってきました」と過去に掲載した同じような写真を連ねる日誌のような記事は避けるようにしているが、ルリボシヤンマのオスにおいては複眼や体色…

カトリヤンマの交尾態と産卵

カトリヤンマの交尾態を撮影したので、9年間で撮りためた静止(枝止まり)、飛翔、産卵の写真の中から複眼の美しさに拘ったものをセレクトして、交尾態と併せて全12点を掲載した。 カトリヤンマ Gynacantha japonica (Bartenef, 1909)は、ヤンマ科(Family A…

ルリボシヤンマ 青色型メス探索

ルリボシヤンマの青色型メスの探索に今年も出かけた。 ルリボシヤンマ Aeshna juncea juncea (Linnaeus, 1758)は、ヤンマ科(Family Aeshnidae)ルリボシヤンマ属(Genus Aeshna)で、氷河期に繁栄し、その遺存種的に生息していると言われており、日本では寒…

ネアカヨシヤンマの産卵(2020)

ネアカヨシヤンマの産卵は、今年は3年ぶりに7月19日に撮影を行ったが、かなり不満足な結果で終わっていたため、今回はリベンジである。観察の知見は見ていれば得られるが、「写真」は、ただ単に産卵している様子を収めれば良いというものではなく、対象とな…

ヤブヤンマの産卵(青眼メス)

このブログは、自然風景も昆虫でも「今年も会ってきました!」的な毎年同じような写真を「日誌」のように掲載することはしていない。ただし、昆虫においては、その生態に関する新たな知見が得られた場合や過去に掲載した写真に満足できていなければ、良い結…

ネアカヨシヤンマ(産卵)

ネアカヨシヤンマ Aeschnophlebia anisoptera Selys, 1883は、ヤンマ科(Family Aeshnidae)アオヤンマ属(Genus Aeschnophlebia)で、全体がずん胴型の大型のヤンマである。和名は、翅の付け根がオレンジ色であることと、ヨシ原に住むことに由来する。 本州南西…

オオルリボシヤンマ(10月)

ルリボシヤンマの青メス探索後、標高1,400mの池に立ち寄ってみた。周囲の木々は色づき始めており、あと2週間もすれば紅葉の見頃になるだろう時期にも関わらず、オオルリボシヤンマが何頭も産卵中。他にキトンボ、ムツアカネも多数が産卵していた。 キトンボ…

ルリボシヤンマ 青メス探索

ルリボシヤンマ 青メス探索で信州へ。 ルリボシヤンマ 青メスは、先月に岐阜県で撮影したが、胸部と腹部斑紋も水色になる完全な青色型のメスを撮りたい。ただし、すでに10月に入り中部山岳地帯におけるルリボシヤンマの発生は終わっているかもしれない。他の…

マダラヤンマの産卵

マダラヤンマの産卵を撮影することができたので、他のシーンと併せて紹介したい。 マダラヤンマは、日本特産亜種であり、北海道西南部、東北地方全域と関東地方の一部、石川県、長野県に分布しており、ヒメガマ、ヨシなどの抽水植物が繁茂する池沼に生息する…

オオルリボシヤンマ/オスの飛翔行動

オオルリボシヤンマ Aeshna crenata Hagen, 1856 は、これまで日本各地で観察と撮影を行ってきたので、ここでオスの飛翔行動について少し触れておきたい。 オオルリボシヤンマのオスは広い縄張りを持ち、その範囲をパトロール飛翔する。縄張り内に別のオスが…

ルリボシヤンマ 青眼型メス

ルリボシヤンマ 青眼型メスを撮影したので掲載したい。 ルリボシヤンマ Aeshna juncea juncea (Linnaeus, 1758)は、ヤンマ科(Family Aeshnidae)ルリボシヤンマ属(Genus Aeshna)で、氷河期に繁栄し、その遺存種的に生息していると言われており、日本では…

カトリヤンマ(9月上旬)

カトリヤンマ Gynacantha japonica Bartenef, 1909 は、ヤンマ科(Family Aeshnidae)カトリヤンマ属(Genus Gynacantha)で、北海道南部から九州まで広く分布し、平地や丘陵地の樹林にかこまれた汚染のない池、竹林、松杉がまばらに生育する河川敷の林、水…

ヤブヤンマの産卵映像

ヤブヤンマの産卵映像を撮るために、先週と同じ公園の池に訪問。10時半に到着すると、ヤブヤンマのオスが探雌で飛翔中。メスが産卵していそうな場所を低空飛翔して丹念に探すが、メスの姿はなし。しばらくすると、池畔の木の枝に止まって休憩。多い時には3…

ヤブヤンマの青眼メス

ヤブヤンマの青眼メスを撮ることは、今年の年初に掲げた目標の一つであった。 ヤブヤンマ Polycanthagyna melanictera (Selys, 1883)は、ヤンマ科(Family Aeshnidae)ヤブヤンマ属(Genus Polycanthagyna)で、オスの複眼はマリンブルーに輝き、たいへん美…

ギンヤンマ

ギンヤンマ Anax parthenope julius Brauer, 1865は、ヤンマ科(Family Aeshnidae)ギンヤンマ属(Genus Anax)のトンボ。比較的多く目にするヤンマの代表種でありながら、これまであまり撮っていなかった。今回、産卵の様子を撮ったので、過去に撮影した写…

カトリヤンマ(青眼メス)

カトリヤンマ Gynacantha japonica Bartenef, 1909 の青眼型メスを撮影したので紹介したい。 ヤンマ科において雌雄の体色が異なる種の中には、複眼、胸部、腹部の斑紋の色がオスと同じ色になる「オス型メス」というものが出現する。特に顕著なのがルリボシヤ…

ルリボシヤンマ 青色型オス

ルリボシヤンマの青色型オス(写真1及び2)完全ではないが長野県において撮影したので掲載したい。 ルリボシヤンマ Aeshna juncea juncea (Linnaeus, 1758)は、ヤンマ科(Family Aeshnidae)ルリボシヤンマ属(Genus Aeshna)で、氷河期に繁栄し、その遺存種…

オオルリボシヤンマの青メス

オオルリボシヤンマの青メス(オスに似た体色をもつオス型メス)については、前記事「オオルリボシヤンマ(オス型メス/新潟)」で触れているが、今回、同じ地区の池に再度訪問し、多くの個体を撮影したところ、体色には個体によって様々な出現パターンがあ…

オオルリボシヤンマ(オス型メス/新潟)

オオルリボシヤンマのオス型メスを新潟県内で撮影した。また、生息地には3つのタイプのメスが見られたので報告したい。 ヤンマ科で雌雄の体色が異なる種の中には、オスに似た体色をもつメス、いわゆるオス型メスが遺伝的に固定された個体変異として出現する…