四月上旬・・・
新しい年度が始まり、人の流れも、街の空気も、どこかそわそわと落ち着かない頃。
谷の向こうでは、萌黄色の新緑がやわらかく山肌を染め
まるで季節が静かに息を吹き返したかのように、光を含んで揺れている。
一方、手前の山桜は、すでに花を落とし
淡いオレンジの葉を広げて、次の時を生きている。
咲き誇ることを終えたその姿には
華やぎとは異なる、確かな移ろいの美が宿っている。
新しい始まりに目を向ける社会のなかで
ひとつの季節が、確かに終わっていく。
それでも自然は、立ち止まることなく
色を変え、かたちを変えながら、静かに歩み続ける。
人もまた、その流れの中にあるのだと・・・
谷を渡るやわらかな風が、そっと教えてくれる。
*以下の掲載写真は、「谷に咲く名もない山桜」で掲載した山桜。クリックしますと別窓で拡大表示されます。

葉桜
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F11 1/10秒 ISO-100 +0.7EV
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