ブログ「ホタルの独り言」に掲載しているが、この「ホタルの独り言 PartⅡ」には登場しない昆虫。今回は、キマダラルリツバメを掲載。
キマダラルリツバメ Spindasis takanonis(Matsumura)は、シジミチョウ科(Family Lycaenidae)ミドリシジミ亜科(Subfamily Theclinae)キマダラルリツバメ属(Genus Spindasis)で、開張35mmほどのシジミチョウである。日本国内に産する蝶類としては珍しく後翅に2対ずつの尾状突起をもっており、オスは和名の示すとおり翅表は黒褐色にルリ色斑をもっている。メスの翅表は黒褐色であるが、雌雄ともに翅裏は虎班模様である。(日本国内で尾状突起が2対づつあるのは、キマダラルリツバメと沖縄本島に生息するフタオチョウだけで)
日本国内では現在、東北地方(岩手県)から中国地方にかけて産地が点在し、関西以西の原名亜種、東北亜種、関東亜種、京都亜種、滋賀亜種に分類されているが、生息地は極めて局地的である。
キマダラルリツバメは、年1化で、成虫は6~7月上旬頃に羽化する。雌雄ともヒメジョオン、オカトラノオなどの花をよく訪れる。日中は不活発であるが、夕方になるとオスが活発に飛び回る。シリアゲアリ属のハリブトシリアゲアリと共生しており、孵化した幼虫は移動して樹皮下や腐朽部に営巣しているハリブトシリアゲアリの巣の中でアリから口移しに餌を与えられて育つとともに外敵から守られる。アリは、本種の幼虫の腹節にある蜜腺からの分泌物を吸っている。
主に丘陵地から山地の疎林に生息するが、ハリブトシリアゲアリとの特殊な共生関係があるため、アリが営巣しているサクラ、クワ、キリなどの古木がある境内、城跡、公園、河川の堤防、校庭、海岸などのさまざまな場所に生息している。ただし、生息数も少なく、生息している場所が局地的であるため、生息地が破壊されると絶滅が危惧され、また、生態的特性ゆえに、アリとのバランスが少し崩れただけでも一瞬に絶滅へと追い込まれてしまう。環境省版レッドリストでは、準絶滅危惧 (NT)としているが、、都道府県版レッドリストでは、埼玉県で絶滅、他16の府県で絶滅危惧Ⅰ類や絶滅危惧Ⅱ類としている。
キマダラルリツバメは、鳥取市で国指定の「キマダラルリツバメチョウ生息地」として史跡名勝天然記念物に指定されており、福島県三島町、相模原市、京都府などでも地域固有の「天然記念物」としており、特に三島町では特別天然記念物(町指定)とし、町内全域での採集を禁止し、生息地の保全をはかっている。
キマダラルリツバメは、これまでたったの1回しか生息地に訪問しておらず、写真も6枚だけ。今後は、他の様々な生息地にも遠征して亜種の違いも見てみたいと思う。また、産卵の様子も観察したいと思うが、何年先になるかは分からない。
*以下の掲載写真は、クリックしますと別窓で拡大表示されます。

キマダラルリツバメ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/400秒 ISO 200
(撮影地:福島県三島町 2012.06.30 15:55)

キマダラルリツバメ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/320秒 ISO 250
(撮影地:福島県三島町 2012.06.30 16:01)

キマダラルリツバメ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/320秒 ISO 200
(撮影地:福島県三島町 2012.06.30 16:41)

キマダラルリツバメ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/250秒 ISO 500
(撮影地:福島県三島町 2012.06.30 16:48)

キマダラルリツバメ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/250秒 ISO 500
(撮影地:福島県三島町 2012.06.30 16:49)

キマダラルリツバメ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F9.0 1/320秒 ISO 1000
(撮影地:福島県三島町 2012.06.30 16:51)
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