ホタルの独り言 Part 2

ホタルをはじめ、様々な昆虫の写真や自然風景の写真を掲載しています

白い静寂からはじまる

~蔵出し写真⑯~

冬の早朝、霜に伏す静かな野は、まだ世界の声を忘れたまま白い息をひそめていた。
カラマツの枝先に咲いた霧氷は、凍った花弁のように澄みわたり、
その静寂を破らぬように、朝日はそっと薄黄の色を置いていく。

光が触れた瞬間、景色はかすかに揺らぎ、
新しい一日の鼓動が、凍てつく大地の奥でひそやかに目覚めはじめる。

その瞬きのような気配に、私の心もまた、
長く閉じていた扉がそっと軋むように、
わずかな温もりを思い出していく。
景色が色を取り戻すたびに、
私の内側にも、確かに小さな光が灯っていくのを感じていた。

 2011年1月に山中湖の別荘地において初めて霧氷を撮影し、その美しさに魅了され、その後信州を中心に様々な場所へ霧氷を探しに行ったが、なかなか思うような写真が撮れない遠征が続いていた。
 霧氷が付く気象条件の知識も得た翌年2012年1月。霧氷を求めた8回目の遠征先に軽井沢の1,000メートル林道を選んだ。千曲川からの湿った空気が北西の風に乗って長野上田方面から流れてきて、浅間山麓で急激に冷やされ、浅間サンラインと中山道に沿って軽井沢、そして碓氷峠へ霧氷の帯を作るのである。
 上信越自動車道の小諸ICを降りて浅間サンラインへ進むと木々には霧氷が付いている。ポイントを探しながら、車1台がやっと通れる農道に入ってみた。牧草地は霜で白く、カラマツには霧氷が付いていた。

*以下の掲載写真は、クリックしますと別窓で拡大表示されます。

カラマツ霧氷の写真
カラマツ霧氷
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F6.3 1/3秒 ISO 100 +1.3EV
(撮影地:長野県軽井沢町 2012.1.15 6:54)

冬の朝の牧草地の写真
冬の朝の牧草地
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F4.5 1/80秒 ISO 100 +1EV
(撮影地:長野県軽井沢町 2012.1.15 7:37)

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