
この一ヶ月間はとても忙しかった。サラリーマンだから月~金は60時間働き、土日は、ホタル。今年はテレビのロケもあり、日本ホタルの会の理事会や事務局会議とほとんど家にはいなかったので、昨日今日は完全休養日とした。ちょうど雨降りだし、子供とも食事に行った。家族サービスもいないと・・・。
朝刊を見ると、なかなか良い記事が掲載されていた。私も理事を務めている日本ホタルの会の小西先生と鈴木先生のコメントが載っていた。
点滅は「まずい」の合図
ホタルはなぜ光るのだろうか。――オスとメスが光を放ち合い、互いの存在と位置を認識することで交尾の確率を高めている。つまり「求愛の言葉」――。 「それじゃ、まだ半分ですね」と、横須賀市自然・人文博物館で幅広い研究を続けてきたホタル博士の大場信義さんはいう。光っていれば鳥や小動物に見つかりやすい。食べられては求愛どころではない。そんな不利な性質は子孫には伝わらない、というのが進化の常識だ。ホタル、とくにその幼虫には、天敵がいやがる物質をもっているものが多いことがわかってきた。食べてもおいしくない。「光っても大丈夫というより、『食べられません』と積極的にアピールしているのです。」50種近い日本のホタルのすべての種が幼虫時代には光るのに、成虫になると光らないものが多い。本質はむしろ「警告」の方にあると考えた方が素直だ。
「先進国でホタルを愛でる国は日本くらい。日本生まれのホタル研究を大事にしたい」と昆虫文化誌研究家で日本ホタルの会理事の小西正泰さん。期待通り、研究は活発になってきた。
進化違う源平
たとえば、ゲンジボタルとヘイケボタルでは、分布拡大の様相が違うことなどが明らかになった。ゲンジの光に「方言」があることは大場さんの長年の研究でわかった。オスが光を同調させて飛ぶときの明滅間隔は西日本で2秒、東日本は4秒。境はフォッサマグナの東端の辺りだ。
光学機器メーカーとしてホタルとも縁の深いオリンパス研究開発本部の鈴木浩文さん(日本ホタルの会副会長)が、ミトコンドリアのDNAを使いこの現象に挑んだ。他の昆虫で得られた分子の変異速度を当てはめると、方言ができたのは「500万年前」だった。
2.5~4秒の不規則な発光間隔のクメジマボタルはゲンジと祖先が同じだと考えられており、その分岐は「1600万年前」。つまり、ゲンジの仲間は古くから日本に住み、列島の形成を反映しながら枝分かれしていったことになる。
一方のヘイケは、習性は多少違っているのに、分子レベルの差は、九州から北海道までほとんどない。比較的新しい時代になって列島全体に拡散した可能性が強い。水田の拡大などとも関係があるかもしれない。
飼育に警戒感
「ホタルたちは、日本列島の歴史の生き証人。安易な移植は慎むべきだ」。大場さんも、鈴木さんも、最近のホタル飼育ブームの過熱を強くいましめる。
(朝日新聞2006.06.18 Wonder in life より)