ホタルの独り言 Part 2

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ゲンジボタルの幼虫上陸(東京2025)

 ゲンジボタルの幼虫上陸の様子を観察し記録撮影を行ってきた。

 ゲンジボタルは、九州の鹿児島などではすでに成虫が飛んでいるが、東京都の山間部ではゴールデンウイーク頃が、毎年、幼虫上陸の時期になっている。千葉県の房総では4月上旬が上陸時期なので、同じ関東でも房総に比べて気温が低い東京の山間部は一か月ほど遅い上陸である。今年の上陸初見日は、知人T氏によれば4月24日に1頭、28日には15頭前後の上陸が20時頃に確認されている。そこで幼虫が上陸する条件と私の休日が合致した5月2日および6日に観察と撮影を行った。ちなみに、この生息地のゲンジボタルは西日本型であり、幼虫の上陸行動にも集団性が見られる。
 5月2日は、昼頃から雨が降りだし、夕方には1時間に10mmを超える豪雨が3時間ほど続いた。気温は15℃。18時から観察を開始したが、時間とともに河川の水位が上がり始め増水状態。上陸する幼虫は川岸近くに集まっているので、流された個体は少ないと思われるが、短時間に増水したため幼虫の待機場所が深いところとなってしまったのだろう、上陸を開始する個体は少なく、見渡せる範囲で10頭ほどであった。カメラを向けた方向では5頭を確認した。(写真1)
  雨は21時頃には止み、星も見え始めた。22時近くになり、幼虫の上陸数が増えないことから、この日は撤収することにした。

 続いて5月6日。朝から小雨が降り続き、昼からは本降りに。現地に到着した17時に雨は止んでしまったが、2日のような豪雨ではなかったため、増水はなく流れも澄んでおり、川岸や岩などは十分に濡れた状態を保っていた。気温は14℃。湿度は100%。上陸初日ではないから、雨が止んでもこの様子ならば上陸をしてくれるだろうとの予測の元、カメラをセットした。
 この生息地は、かなりの広範囲において様々な場所でゲンジボタルの幼虫が上陸をする。観察と撮影で一番大切なことは、上陸して蛹になる場所を踏み荒らさないこと、水際にいる幼虫を踏まないことである。観察も撮影も、それらを考慮しなければならない。
 19時4分。河川の中州で発光する1頭の幼虫を確認。次第に発光しながら上陸する幼虫が増え始めた。この日は、主に二か所でまとまった数の上陸が見られた。見渡せる範囲で30頭以上を確認したが、昨年撮影した崖の部分では1頭も見られなかった。おそらく2日の増水で水際にて待機していた幼虫が流されてしまったのだろう。
 カメラを向けていた場所では、時間の経過とともに次々に上陸を開始する幼虫が見られたが、22時頃になると雲が薄くなり、月齢8.3の明るい半月が真上に輝くようになってしまった。川岸は一気に明るくなり、私自身の影ができるほどである。幼虫たちは発光を止め、上陸も停滞。成虫だけでなく、幼虫も明かりが苦手なのである。基本的には、天気が悪い時間帯に上陸するから月明りの影響はないが、もし家の明かりや街灯の明かりがあれば、照らされる部分では上陸は行われない。
  22時を過ぎた時点で月がでなければ、幼虫の上陸は継続して行われたであろうし、雨も止むことがなければ、もっと多くの幼虫が上陸したに違いない。そのような状況ならば朝まで観察と撮影を続けたかったが、残念ながらこの日は22時半で撤収することにした。

 2枚目の写真は6日に撮影したもので、およそ3時間の多重である。これは、3時間の間に光りながら動き回ったゲンジボタルの幼虫の光跡が写っている。どの幼虫も同じようなルートを辿って陸地に向かっていることが分かる。写真では分からないが、前を進む幼虫の光を追いかけるように上陸する幼虫が多い。また、多くの光跡(幼虫)が右側の陸地へ向かっているように見えるが、実際は、Uターンして水中へ戻る幼虫もいた。雨が降っていなかったことから上陸をあきらめたものと思われる。これらが分かるように、タイムラプス動画も作成した。動画は、180倍速になっている。勿論、実際の動きはこんなに早くはない。

 6日は徹夜勤務明けで、朝に帰宅してから仮眠せずに生息地へ行ったため、少々ふらふら状態。川原で2回転倒して2回とも両ひざを岩に強打し真っ赤にはれ上がってしまった。痛みをこらえて車を運転して帰宅。二日経って何とか歩けるようになったが、屈伸は苦痛である。

参考:ゲンジボタルの幼虫上陸(東京2024) 

ゲンジボタルの幼虫上陸の写真
ゲンジボタルの幼虫上陸
Canon 5D Mark Ⅱ / Canon EF17-35mm f/2.8L USM / 絞り優先AE F4.0 30秒 ISO 4000 約1.5時間の多重(撮影地:東京都 2025.5.2 20:33~21:59)

ゲンジボタルの幼虫上陸の写真
ゲンジボタルの幼虫上陸
Canon 5D Mark Ⅱ / Canon EF17-35mm f/2.8L USM / 絞り優先AE F4.0 30秒 ISO 4000 約3時間の多重(撮影地:東京都 2025.5.6 19:24~22:25)

ゲンジボタルの幼虫上陸(東京2025)
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