ゲンジボタルの西日本型と東日本型の違いを写真と映像で比較
すでに九州南部や四国の高知県ではゲンジボタルが発生し、今年2025年もホタルの季節が始まった。知人によれば、高知県では発生が遅れているようであり、冬季の渇水や3~4月の低温の影響などが原因として考えられ、今後の発生状況が心配ではあるが、全国的には、これから徐々に発生が北上し、今月上旬に幼虫の上陸を観察した東京の生息地では、順調ならば6月20日前後には多くのゲンジボタルが舞うだろう。
さて、ゲンジボタルは、遺伝子の違いにより中部山岳地帯(フォッサマグナ)を境に西日本型と東日本型に分けることができる。この2つの型は発光間隔が異なっており、特にメスを探している時のオスの発光パターンは明瞭で、気温20℃の時の同期明滅の間隔は西日本は2秒、東日本では4秒と異なっている。また、発光間隔だけでなく、飛翔の仕方、幼虫上陸や産卵の集団性、更には生息環境にも大きな違いが見られる。西日本型のゲンジボタルは、小中河川から幅100mもある大きな河川にも生息し発生数が桁違いに多いが、東日本型は小中河川にも生息するが、大半は里山の谷戸の小さな流れに生息していることが多く、環境の規模に応じた発生数である。
昨今では、東日本において、かつてホタル復活のための方策として人為的に大量に移入した西日本型のゲンジボタルが、その生態的特徴を持ったまま定着している場所が多い。本来、東日本型ゲンジボタルが生息しない渓流などで乱舞しているが、別種とも言えるほど発光や生息環境が異なった東日本型のゲンジボタルは、里山の放棄や放置等の環境悪化、農薬散布により激減している生息地が多い。
どんな生物でも「分布域」というものがあり、これは自然の摂理によって定められている。そして分布域には、生物地理学上生じた「地域固有性」がある。以下には、ゲンジボタルの西日本型と東日本型の違いを写真と映像で比較してみた。写真では、生息環境と発光飛翔の様子が、映像では発光間隔の違いが分かる。その差は歴然である。私たちは、それぞれの特徴を理解した上で、地域固有種が生息しているならば、それを守ることに努力しなければならない。
このブログをご覧の皆さんも、地元のゲンジボタルが何型なのか観察し、保全していただきたいと思う。
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西は2秒で東4秒 ホタルの光り方の違い
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