~蔵出し写真⑩~
Winter Triangle(冬の大三角)は、おおいぬ座のシリウス、こいぬ座のプロキオン、オリオン座のベテルギウスという3つの1等星を結んでできる大きな三角形のことで、その三角形の中を天の川が通っている。
今回掲載した蔵出し写真は、滝雲で有名な魚沼市の枝折峠で撮影したが、滝雲以外の目的としては、夜明け前の"黄道光と天の川のクロス"の撮影であった。それは何とか撮ることができ「秋の星空と黄道光」として掲載している。この蔵出し写真は、黄道光が出る前にテスト撮影のつもりで撮った1カット。滝雲か雲海でも出ていれば、星景写真として成り立ったかもしれないが、これは単に冬の大三角方面の星空を撮っただけの写真。黄道光クロスの写真には、冬の大三角も写っており、冬の大三角については、山中湖にて富士山とともに撮影しているので、この写真はお蔵入りとしていた。
今回、掲載を決めたのは、枝折峠は光害が少なく夜空が暗いということをアピールしたかった。では一体、そのくらい暗いのだろうか。空の暗さを評価する値ボートル・スケール (The Bortle scale ) で表すと、枝折峠は21.78 SQMである。(参照:光害マップ)素晴らしい天の川を肉眼でも堪能できた沖縄辺戸岬は21.93 SQM、乗鞍高原が21.68 SQMであるから、枝折峠も暗いことが分かる。
ただし、ボートル・スケールの値は、その地点の値であるから、星空を撮る場合は、撮る方向の値も重要になる。この写真の場合は、東方向であり、その方向にある奥只見の値は21.83 SQMで更に暗いため、星空を撮るには良い場所と言える。春に夏の天の川が上ってくるところも撮りたいところだが、冬期通行止めが解除されても雪深いためGW頃までは無理であろう。
*以下の掲載写真は、クリックしますと別窓で拡大表示されます。

Winter Triangle
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Canon EF17-35mm f/2.8L USM / 絞り優先AE F2.8 30秒 ISO 2000
(撮影地:新潟県魚沼市/枝折峠 2022.9.25 4:06)
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