大山千枚田は、千葉県鴨川市大山にある棚田。日本で唯一ともいわれる、雨水のみで耕作を行う珍しい天水田であり、375枚の形や広さが様々な水田が、3.2ヘクタールの傾斜地に、自然の地形を利用しつつ等高線に沿って階段状に並んでいる。1999年に農林水産省の日本の棚田百選に認定されており、文化庁の文化的景観の保存・活用事業の対象地域にもなっている。
棚田は、単に米を生産する場だけではなく、国土や自然環境の保全、農村の美しい原風景の形成、伝統文化の継承など多様な役割を果たすという「多面的機能」があるが、ホタル研究者としては、棚田を保全することで二次的自然が保たれ「里山」に特有で多様な生物が生息し、貴重な生態系が維持される「生物多様性の保全機能」に注目したい。大山千枚田にはヘイケボタルをはじめ、トウキョウサンショウウオや環境省RDBで絶滅危惧ⅠB類としているチョウの他、多くの生物が生息している。
自然風景写真を撮る者としては、「ふるさとの原風景」と言える景観の美しさに心が惹かれる。大山千枚田は2012年4月7日に一度撮影しており、ブログにて「棚田の夜明け」として紹介しているが、今回、棚田と天の川の撮影後に、大山千枚田の朝景を撮影した。(掲載した写真には、今回撮影したもの以外に、2012年に撮影した写真も含めた)
大山千枚田は、新潟の星峠のような朝霧は期待できないが、棚田の水鏡が作り出す造形が美しい。そこで、なるべく水の張られた田んぼが多く写るようにフレーミングして、夜明け前から日の出を待った。この日は、雲一つない快晴で無風。綺麗な朝焼けはなかったが、夜明け特有の色彩とご来光というドラマチックな瞬間を堪能した。
一時間ほど撮影した後、次の場所へ移動するためにカメラを片付けて車に乗ろうとしたところ、何と棚田では違う光景が展開していた。昇った太陽が、前日に降った雨で湿った田畑を温め靄が発生。山林を通過する太陽光が光芒となって棚田に降り注いでいたのである。これはチャンスである。急いでカメラをセットし直して撮影した。こうした光景は、星峠でも経験している。(星峠の光芒)ドラマは2度展開する。次に現れるであろう光景を予想して待つことが大切だ。
今回、一連の撮影中に少々困ったことが起きた。それはドローンである。こちらは、立ち入りを許された範囲内でフレーミングしているが、ドローンは、棚田の上下左右を飛びまわる。こちらのフレーム内で長時間ホバリングもする。法的規制外であっても、操縦者はモラルの欠けた行為を謹んで頂きたい。
*以下の掲載写真は、クリックしますとオリジナルサイズで拡大表示されます。

大山千枚田
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Canon EF17-35mm f/2.8L USM / 絞り優先AE F11 10秒 ISO 100 -1EV
(撮影地:千葉県鴨川市 2018.3.25 5:09)

大山千枚田
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Canon EF17-35mm f/2.8L USM / 絞り優先AE F16 1/30秒 ISO 100 -2EV
(撮影地:千葉県鴨川市 2012.4.07 5:22)

大山千枚田
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Canon EF17-35mm f/2.8L USM / 絞り優先AE F11 1/60秒 ISO 100 -1.3EV
(撮影地:千葉県鴨川市 2018.3.25 5:48)

大山千枚田
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Canon EF17-35mm f/2.8L USM / 絞り優先AE F16 1/50秒 ISO 100 -1EV
(撮影地:千葉県鴨川市 2012.4.07 5:50)

大山千枚田
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Canon EF17-35mm f/2.8L USM / 絞り優先AE F16 1/100秒 ISO 100 -1.7EV
(撮影地:千葉県鴨川市 2012.4.07 5:52)

大山千枚田
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F11 1/160秒 ISO 100 -0.7EV
(撮影地:千葉県鴨川市 2018.3.25 6:14)
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