ホタルの独り言 Part 2

ホタルをはじめ、様々な昆虫の写真や自然風景の写真を掲載しています

東京のホタル前線


 毎年ホタルの観察を続けている東京都内某所(自然発生地)に行って来た。この場所では、5月6日に幼虫の上陸を確認しており、その後の積算温度から6月10日頃が羽化と予測していた。ホタルの成虫は、羽化してから地上に出てくるのに2~3日、また降雨や気温も影響するので実際に飛ぶ日は計算通りにはいかないが、地元の人の話では13日に初めて飛んだらしい。

上陸後、Σ(毎日の平均気温-8.02)が408.4を越えると羽化

という飼育実験から得た有効積算温度による発生予測は、今年も当たったようである。今年のホタル前線は、例年より一週間ほど早いと言われており、実際に千葉県勝浦市ではそうであるとこの目で確認したが、今日訪れた場所は例年と同じ発生時期である。ホタル(ゲンジボタル)の発生は、暖冬は関係なく、いつ上陸したか、そしてその後の積算温度によって決まるのである。

 河原で写真を撮っていると、地元の人に「なにやってるんだ!」といきなり怒られてしまった。自己紹介をすると納得していただいた。どうやら、ホタルをたくさん捕まえて持って帰る人が後を絶たないらしい。そのためにパトロールをしているそうだ。暗闇では顔が見えない。ホタル泥棒と間違われないようにする工夫はないものだろうか。

 ここは開けているので日没後もなかなか暗くならない。一番ホタルが飛んだのが19時40分。一時間前から周囲の様子を観察して夕暮れを堪能しつつもホタルを待ちわびる同行した知り合いにこう話した。

 「ホタル鑑賞は、ホタルの光だけを見るのではなく、ホタルの舞う風景を観賞するものだ。」

写真は、自宅で羽化したホタルを自宅のセットで撮影。

東京ゲンジボタル研究所/古河義仁    ホームページ/「東京にそだつホタル