ホタルの独り言 Part 2

ホタルをはじめ、チョウやトンボなどの昆虫、自然風景の写真を掲載しています

人のためか?ホタルのためか?


 昨今、ホタルに関わる活動が日本全国で盛んに行われている。「ホタルの里」や「ホタルの会」もたくさんある。「子ども達にホタルをみせてやりたい・・・」「ご老人にホタルを見せて安らいでほしい・・・」「ホタルを飼育することで自然環境に興味を持ってもらいたい・・・」「減ってしまったホタルを増やしたい・・・」どれもすばらしい活動であると思う。しかし、これら活動の理念や根底には、「人々のため」を優先しているものがあるように思う。「人々のため」を優先した考え方では、決して「ホタルのため」にはならないことを覚えておいてほしい。
 例えば、ホタルを見てほしいがためにホタルの発生状況をネットで公開する。人々は、喜び、その場所へ殺到するであろう。しかし、訪れる人々のホタルを鑑賞するマナーはどうであろうか?ライトを照らし、乱獲していくのである。
 ホテルや旅館や個人の庭にホタルの里づくりを行ってホタルが飛んだとする。人々は大いに喜ぶだろう。しかし、ホタルの生息環境や生態とは関係なく、飼育養殖した(或いは買い求めた)終齢幼虫と採集してきた(或いは買い求めた)カワニナを放流し続けるだけである。ホタルが自然発生できる生態系などない場所で、自然に興味関心を持ち、理解することができるのであろうか?
 「ホタルの会」と名の付く団体は数多くあるが、本当は「人間のためにホタルを利用する会」なのではないだろうか。このままでは、ホタルは里山という自然環境のバロメーターでも、生態系の結晶でもなくなってしまう。本来の環境に自生するホタルは絶滅し、その環境を知る者もいなくなってしまう。ホタルを守ろう!と言いながら、実は「ホタルを滅ぼす会」になってはいないだろうか。
 ホタルに関わる活動は、ホタルが自然発生する生息地を保全したり、ホタルが自然発生できる生態系を復元することであり、何より「ホタルのため」でなくてはならないと思う。人々のためか。ホタルのためか。どちらが優先なのか。今一度、客観的に考え直す必要があると思う。
東京にそだつホタル