ヒメボタルの映像(動画)を作成したので紹介したい。ヒメボタルは、今年、岩手県二戸市の折爪岳において撮影してきた。写真は、「ヒメボタル(岩手県折爪岳)」をご覧頂きたいが、この記事では、その時に撮影した映像(動画)と2012年に某所にて撮影した映像(動画)も一緒に公開した。
ヒメボタルの写真は、インスタ映えするフォトジェニックな点で、昨今、大勢のカメラマンに人気があり、多くの写真が投稿されている。筆者の最近の写真もそうであるが、これらはヒメボタルの生態学的価値よりも写真の見栄えを重視したもので、数十分間の露光に相当するカットを合成したものである。写真は、作り上げた創作作品であり、実際の見え方とは全く違う。こうした写真は、ヒメボタルの魅力を現したものではなく、単に「いいね!」や「コメント」を増やす目的としか思えない。中には、ヒメボタルが飛翔する場所に和傘を置いて撮影した写真すら存在する。和傘を置くために立ち入り、地面にいるメスを踏みつぶしているかも知れない。世に溢れるヒメボタルの創作写真を見ていると、悲しささえ感じてくる。
SNSに投稿される多くのヒメボタルの写真はインパクトがあるが、合成枚数を増やした撮影者による「創作作品」である。海外を含め多くの人々を魅了する写真であっても、それは撮影者の立場だけで撮ったもので、写真の美しさを感じるだけでしかない。
我々ホタル研究者は、ホタルの生態とその生息環境を研究しているが、その保全についても啓蒙していかなければならない。その一端としての「ホタル写真」は、写真芸術的にも、ホタルの生態学的にも認められる写実でなければならない。この光景を作る「ホタルと自然環境」を守ろうと思いを馳せて頂くものでなければならないと思っている。
ヒメボタルの生息環境は様々で、原生林の他、雑木林、竹林、河川敷の林などに生息している。かつては「森のホタル」と言われ、林や森の中だけで発光すると思われていたが、発光時間になると森や林から出てきて、開けた畑の上や道路まで出てきて乱舞する様子を観察している。活動時間も地域性があり、ゲンジボタルと同じ時間帯、19:30~21:00頃(動画2)や深夜22:00~02:00頃(動画3)に活発に発光しながら飛翔する。
これまでヒメボタルの映像(動画)は、Youtube等でもあまり投稿されておらず、背景も一緒に映しこんだ映像(動画)はほとんどないように思う。また、ヒメボタルの発光の様子を見たことがない方々の中には、これを「ホタル」とは思わない方もいるかも知れないが、これが「ヒメボタル」である。
ヒメボタルの映像(動画)は、写真のようなインパクトはないが、見た目にほぼ近い光景で、ヒメボタルの発光の仕方や飛翔の様子も分かる。今後は、写真とともに動画を撮影し、ヒメボタルやゲンジボタルの真の魅力を伝えていこうと思う。映像(動画)を通じて、自然の豊かさや大切さに思いを馳せて頂ければ幸甚である。
お願い:HD設定にしますとクオリティの高い映像(動画)を、また全画面でも綺麗にご覧頂けます。画面サイズを大きくしてご覧ください。
ヒメボタルの映像(動画1)
ヒメボタルの映像(動画2)
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Carl Zeiss Planar T* 1.4/50 ZE(撮影地:岩手県二戸市/折爪岳 2018.7.14)
ヒメボタルの映像(動画3)
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Carl Zeiss Planar T* 1.4/50 ZE(撮影日: 2012.6.08)
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