
以前、外来種の巻き貝「コモチカワツボ」が、神奈川県内の河川で繁殖しているという記事を取り上げたが、昨今のニュースでも、また話題になっている。私の観察地域では、コモチカワツボは進入していないが、実験によれば、コモチカワツボを与えればゲンジボタル幼虫の成長を阻害し、成虫の発光力も低下するという。ゲンジボタルは、生息環境と生態からカワニナを栄養源としてきた。水田に住むヘイケボタルの場合と違って、カワニナしか食べるものがなく、それを効率よく消化吸収できるように進化してきたものと考えられる。だから、似ているからといってもコモチカワツボで成長できないのは理解できる。
この貝はホタルの養殖業者や飼育マニアによって持ち込まれ、自然河川において大繁殖している。外来種ということも大きな問題がだ、根本は違う。
ホタル養殖業者やホタル飼育マニア、ホタルが飛べさえすれば良いと考える団体は、できるだけ楽をしてホタルを増やそうと考える。カワニナを増やすことが難しいとなれば、代用食を考える。カワニナに似ていて、いとも簡単に増えるコモチカワツボは、打ってつけの代用食と思われたのだろう。
ホタルは、自然環境の象徴なのである。豊かな里山環境と生態系があってこその存在だ。その自然環境を保全することによってホタルも生き続ける。代用食などと考えるのは、複雑で大きな自然環境など眼中になく、目先の利益と結果だけを追い続ける者の考え方だ。ホタルの幼虫を養殖して放流するのも同じだ。
時間がかかっても、地道で難しい道のりでも、豊かな自然環境を取り戻す努力をした結果、例えわずかな数でもホタルが飛んでくれた・・・この積み重ねが、重要だと思う。そうしなければ、未来はいったいどうなるのか。
人々のためではなく、ホタルのために・・・ 東京ゲンジボタル研究所/古河義仁 ホームページ/「東京にそだつホタル」