ホタルの独り言 Part 2

ホタルをはじめ、様々な昆虫の写真や自然風景の写真を掲載しています

蒲生の棚田(冬霧)

 蒲生の棚田は、新潟県十日町市松代地区の蒲生(かもう)にある棚田。松代地区の棚田は、稲刈りが終わると水を張って代掻きを行うので、いくつもの田んぼが水鏡となる。そして雪が降れば畦が白くなり、朝日に染まる朝霧とともに幻想的な光景が見られる。

 一か月半ぶりの写真撮影。今回は昆虫ではなく、カメラもCanon EOS 7D から35mmフルサイズのEOS 5D Mark Ⅱ に変えての風景撮影である。撮りたい風景はいくつもあるが、すべては天気次第で場所が決まる。18日の新潟は、12日以来の晴れの予報が出た。今週末は、迷わず「蒲生の棚田」に決定した。
 17日(土)15時半に自宅を出発し、関越自動車道の赤城高原で夕食。関越トンネルを抜けると降雪でチェーン規制。六日町ICで降りると、雪国である。久しぶりの雪道に、少しドキドキしながら松代を目指す。現地には20時に到着。雪ではなく雨が降っていたが、夜半には月が見えた。朝まで車中拍である。
 18日(日)6時。長靴に履き替えて棚田を見渡せる場所に立つ。気温は2℃。無風のため寒くはない。谷間には、運よく朝霧も出ている。しかしながら、棚田は、2枚を除いて雪で 覆われてしまっている。情報では、一週間前には、まだ水の張られた棚田のすべてが見られたようだが、連日降り続いた雪で、ただの白い斜面と化してしまった。更に、見上げれば空に浮かぶ雲には切れ間がない。朝の光も絶望的な雰囲気である。蒲生の棚田には昨年の12月にも訪れており、「白い斜面に光なし」で1枚も撮らずに帰っている。カメラマンは、自分を含めて8名ほど。日の出時刻を過ぎても、太陽が見える気配がない。一人、また一人と諦めて帰っていく。 今回は久しぶりの写真撮影なので、手ぶらでは帰りたくない。もうしばらく待ってみることにした。
 7時半を回った頃、上空をゆっくりと流れる雲に切れ間ができ、青空が覗くようになった。もしかしたらという微かな希望をもって、じっと待っていると、7時48分。朝日が顔を覗かせた。白い朝霧がオレンジ色に染まる。5分もすると、太陽は再び雲に隠れ、朝霧も消えていった。

 蒲生の棚田は、水が張られた棚田がすべて見えること。畦と周囲の木々が雪で白いこと。朝霧が朝日でオレンジ色に染まること。これらの条件が揃ってこそ、美しさの最上であると思っているが、休日写真家の自分にとって、新潟の気象状況に合わせることは非常に難しい。また来年、挑戦である。(この日の主役は、「棚田」ではなく「朝霧」になってしまった。)
 今回は、蒲生の棚田だけを撮って帰路に就いた。休憩することなく中央道の国立ICで降り、泥だらけの愛車を洗って正午に帰宅した。

蒲生棚田 冬の写真

蒲生の棚田
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F11 4秒 ISO 100 +1/3EV(撮影地:新潟県十日町市 2016.12.18 6:36)

蒲生棚田 冬の写真

蒲生の棚田
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F13 1/40秒 ISO 100(撮影地:新潟県十日町市 2016.12.18 7:50)

蒲生棚田 冬風景の写真

蒲生の棚田
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F13 1/60秒 ISO 100(撮影地:新潟県十日町市 2016.12.18 7:54)

蒲生棚田 朝霧の写真

蒲生の棚田/朝霧
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F13 1/80秒 ISO 100(撮影地:新潟県十日町市 2016.12.18 7:53)

東京ゲンジボタル研究所 古河義仁/Copyright (C) Yoshihito Furukawa All Rights Reserved.

----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------