サカハチチョウ Araschnia burejana (Bremer, 1861) は、タテハチョウ科(Family Nymphalidae)タテハチョウ亜科(Subfamily Nymphalinae)サカハチチョウ属(Genus Araschnia)に分類されるチョウ。本種は、本ブログ(PartⅡ)において単独で取り上げたことがなかったので紹介しておきたい。
サカハチチョウは、日本の北海道、本州、四国、九州に分布し、丘陵地から山地にかけて生息。渓流沿いや樹林周辺の草地などで見られる。同属のアカマダラ Araschnia levana levana (Linnaeus, 1758)に似るが、アカマダラは北海道のみに分布し、翅の斑紋で区別できる。食草はコアカソ、アカソ、イラクサなどのイラクサ科植物で、成虫は、よく花で吸蜜し、動物の糞などにも集まる。
本種は、年に2回、春(4月~5月)と夏(7月~8月)に発生し、季節によって翅の斑紋が大きく異なる季節型の顕著な例として挙げられる。季節型とは世代を繰り返す中で、羽化する季節によって形態的な変化が現れる現象である。例えば、蛹などで冬を越して春に成虫になったものを「春型」と言い、春型や成虫で越冬したチョウが産卵し、夏に成虫になったものを「夏型」、夏型が産卵し秋に成虫になったものを「秋型」と呼んでいる。
サカハチチョウの春型では翅表が黒と橙を主とした斑紋で、翅裏は赤褐色のモザイク状である。一方夏型は、翅表は黒で中央に白帯があり、裏翅は赤褐色で白~黄白色の帯があり、この白い帯状の模様が「八」の字を逆さにしたようにみえることが名前の由来となっている。
環境省版レッドリストに記載はないが、都道府県版レッドリストでは、長崎県と鹿児島県で絶滅危惧Ⅱ類としている。
*以下の掲載写真は、クリックしますと別窓で拡大表示されます。

サカハチチョウ(春型)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/250秒 ISO 320 -0.7EV
(撮影地:山梨県上野原市 2012.5.6 11:56)

サカハチチョウ(春型)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1 / 絞り優先AE F8.0 1/320秒 ISO 200
(撮影地:東京都あきる野市 2016.4.16 10:36)

サカハチチョウ(春型)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1 / 絞り優先AE F8.0 1/160秒 ISO 500 +1EV
(撮影地:東京都あきる野市 2016.4.16 10:39)

サカハチチョウ(春型)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1 / 絞り優先AE F8.0 1/125秒 ISO 320 +1EV
(撮影地:東京都あきる野市 2016.4.16 10:38)

サカハチチョウ(春型)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1 / 絞り優先AE F8.0 1/160秒 ISO 320 +1EV
(撮影地:東京都あきる野市 2016.4.16 10:38)

サカハチチョウ(春型)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1 / 絞り優先AE F8.0 1/125秒 ISO 250 +1EV
(撮影地:東京都あきる野市 2016.4.16 10:38)

サカハチチョウ(春型)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1 / 絞り優先AE F5.0 1/640秒 ISO 200
(撮影地:東京都あきる野市 2010.5.15 10:48)

サカハチチョウ(夏型)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1 / 絞り優先AE F2.8 1/800秒 ISO 200
(撮影地:静岡県富士宮市 2010.7.10 13:57)
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