アマゴイルリトンボ Platycnemis echigoana Asahina, 1955 は、モノサシトンボ科(Family Platycnemididae)グンバイトンボ属(Genus Platycnemis)のトンボ。 こちらも、ブログ「ホタルの独り言(Part Ⅰ)」には数枚の写真を掲載しているが、記載内容が乏しく、本ブログでは単独の掲載をしていなかったので未掲載の蔵出し写真を含めて、改めて再現像してまとめた。
今後も、こうした投稿を続けてチョウやトンボなどに関する写真と記事内容の充実を図っていきたいと思う。
アマゴイルリトンボは、体長約4センチで、成熟するにつれて青みを増し、複眼はコバルトブルーになるとても美しいトンボである。
本種は、多雪地帯の内陸部で、ブナやミズナラなどの広葉樹林に覆われた抽水植物や浮葉植物が豊富な水深のある池沼に生息し、6月から8月頃までが発生期間であるが、観察と撮影を行った福島県の猪苗代湖近辺の湿原では、流れのゆるやかな細流や開けた湿原脇の側溝などでも発生しており、9月中旬でも見られた。また本種は、水辺からあまり離れず、水際よりも水辺の林や草むらに多く見られる。また、オスは木漏れ日が差し込む葉の上などで縄張りを張っていることが多い。
アマゴイルリトンボは日本特産種で、新潟県の朱門岳にある雨生ヶ池(まごいがいけ/別名:雨乞ヶ池)で発見されたことから和名の由来であり、学名も「エチゴニア」と付いている。生息場所での個体数は多いものの生息地は極めて局所的で、2011年に青森県から新産地が発見されたが、それでも山形県・新潟県・福島県・長野県・青森県の5県のみにしか分布していない。環境省版レッドデータブックに記載はないものの都道府県版レッドデータブックでは、長野県で絶滅危惧Ⅱ類に、山形県・新潟県では準絶滅危惧種として記載している。
新潟県の雨生ヶ池では、周囲に広がるブナ、ミズナラを主体とする天然生林を保全し、同地域に生息するアマゴイルリトンボ及びその生息環境を保護するため「雨生池アマゴイルリトンボ希少個体群保護林」に設定されており、現状の維持及び場合によってはアマゴイルリトンボの繁殖及び生息に適した環境を造成するよう適正な保護管理を行っている。
ホタルの生息環境と生態の研究が専門ではあるが、「ホタルしか知らない者にホタルについて語れない」を信条に、様々な昆虫、主にチョウやトンボについても写真という証拠を撮りながら、生態や生息環境等を調べてきたが、アマゴイルリトンボは、生息地が遠方であることもあり、なかなか生活史における各ステージの生態写真は撮れていない。絶滅危惧種であることを踏まえた羽化や産卵などの生態写真の撮影は今後の課題として取り組みたいと思う。
*以下の掲載写真は、クリックしますと別窓で拡大表示されます。

アマゴイルリトンボ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1 / 絞り優先AE F8.0 1/160秒 ISO 200 -1EV
(撮影地:福島県 2014.7.06 11:13)

アマゴイルリトンボ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1 / 絞り優先AE F8.0 1/125秒 ISO 500
(撮影地:福島県 2014.7.06 11:17)

アマゴイルリトンボ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1 / 絞り優先AE F3.5 1/800秒 ISO 200 +0.7EV
(撮影地:福島県 2014.7.06 11:41)

アマゴイルリトンボ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1 / 絞り優先AE F3.5 1/125秒 ISO 400
(撮影地:福島県 2011.9.17 6:18)

アマゴイルリトンボ(交尾態)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1 / 絞り優先AE F8.0 1/125秒 ISO 1000
(撮影地:福島県 2014.7.06 11:18)

アマゴイルリトンボ(交尾態)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1 / 絞り優先AE F3.5 1/500秒 ISO 200 +1EV
(撮影地:福島県 2014.7.06 11:24)
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