ホタルの独り言 Part 2

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初雪光刻

~蔵出し写真⑫(しょせつこうこく)~

初雪が越後の山里を静かに包み込んだ朝、雲の裂け目から一本の光が伸び、白い大地をそっと照らす。
淡く漂う靄は光を受けて橙色に染まり、そのわずかな温もりが、冬の冷たさの中でひっそりと息づいていた。
その一瞬、私は、初雪と光が刻む “初雪光刻” の世界に立ち会っていることを確かに感じた。

冷たい空気の中に立つと、雪の匂いとともに、清らかな静けさが胸の奥まで染み込んでくる。
春でもなく、夏でもなく、秋でもない……冬が訪れた瞬間にだけ生まれる、特別な色と音のない世界。

ほんの数分の間に、光は雲に隠れ、橙色の靄は白へと戻っていった。
けれども、その一瞬に宿る儚くも力強い輝きは、冬の訪れを告げる静かな祝福のようだ。

冬暁の山里は、言葉では言い表せない清らかさと温もりを同時に抱き、今日という日がいかに特別であるかをそっと伝えてくれる。
自然が見せるこの瞬間の奇跡に、私はただ息を潜め、心を澄ませるしかなかった。

*以下の掲載写真は、クリックしますと別窓で拡大表示されます。

蒲生の棚田の朝の写真
初雪光刻
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F13 1/50秒 ISO 100
(撮影地:新潟県十日町市/蒲生の棚田 2016.12.18 7:57)

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