ホタルの独り言 Part 2

ホタルをはじめ、様々な昆虫の写真や自然風景の写真を掲載しています

ヒガンバナとチョウ

 ヒガンバナとチョウの写真を過去撮影のものばかりだが集めてみた。

 ヒガンバナは、秋分の日(2025年は9月23日)を中心とした秋の彼岸の頃に咲くことから名づけられた花である。別名「曼殊沙華(まんじゅしゃげ)」は、サンスクリット語で「天界に咲く花」で、おめでたいことが起こる兆しに赤い花が天から降ってくるという意味らしい。秋の彼岸頃に咲くので「別れ」や「死」を連想し、人によっては嫌いだという方もいるが、花言葉には「再会」や「情熱」などプラスの意味もある。
 ヒガンバナは、秋の風情を伝える季語として俳句の世界でも古くから親しまれており、鮮やかな赤い花が田畑のあぜ道や川沿いに咲く様は、里山の秋を象徴すると思う。開花の条件は気温の影響が大きく、開花の目安となるのは、日平均気温が25度を下回る頃だと言われている。今年は高温傾向で各地で開花が遅れたようであり、関東で有名な埼玉県飯能市にある巾着田では、9月26日の段階で全体的に4分咲きということであった。我が家の庭でも、毎年ヒガンバナが咲くが、やはり今年は遅く、先日ようやく花茎が伸びてきて、9月30日現在1つだけ咲いている。

 前回の記事で我が家の庭には「普通種ばかりではあるが多くのチョウが訪れる」と記したが、このヒガンバナにはどんなチョウが止まるのだろうか?
 チョウの訪花行動は視覚に強く依存していると考えられている。ミツバチは、赤波長域を見ることができないが、アゲハの例では、紫外から赤の波長域まで見分けることができ、人間と同様の色覚現象を感じているだけでなく、人間よりも鋭い視覚を持っているという。
 過去にあちこちの里山で撮影した写真を見返してみると、ヒガンバナに訪れるチョウは、時折、ツマグロヒョウモンも来るが、主にアゲハチョウ科のチョウである。大型の花であるヒガンバナで蜜を吸うには、チョウも大型の方が止まりやすく、他の昆虫には見えない赤い花であれば、蜜を独占できるわけである。また、ヒガンバナに訪花するアゲハチョウ科は、圧倒的に黒色系が多い。ナミアゲハやアオスジアゲハも見られるが、そう多くはない。その理由は明らかではないが、チョウたちの戦略があるのかもしれない。
 以下には、過去に撮影したヒガンバナとチョウの写真を掲載した。撮影していないが、他にカラスアゲハも吸蜜に訪れる。

参考図書・文献

  • 花と昆虫がつくる自然 田中肇著/保育社
  • 花と昆虫、不思議なだましあい発見記 田中 肇著/講談社
  • 木下充代 アゲハが見ている「色」の世界  比較生理生化学, 2006

*以下の掲載写真は、クリックしますと別窓で拡大表示されます。

ヒガンバナとオナガアゲハ

ヒガンバナとオナガアゲハ
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F6.3 1/400秒 ISO 3200 -0.3EV(撮影日:2013.09.22 15:44)

ヒガンバナとナガサキアゲハ

ヒガンバナとナガサキアゲハ
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F4.0 1/400秒 ISO 500(撮影日:2014.09.23 10:19)

ヒガンバナとナガサキアゲハ

ヒガンバナとナガサキアゲハ
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F4.0 1/640秒 ISO 200(撮影日:2014.09.23 10:22)

ヒガンバナとナガサキアゲハ(メス)

ヒガンバナとナガサキアゲハ(メス)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/250秒 ISO 1000 +0.7EV(撮影日:2021.9.24 8:30)

ヒガンバナとモンキアゲハ(メス)

ヒガンバナとモンキアゲハ(メス)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/250秒 ISO 640 +0.7EV(撮影日:2021.9.24 8:0

ヒガンバナとクロアゲハ(メス)

ヒガンバナとクロアゲハ(メス)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/250秒 ISO 500 +0.7EV(撮影日:2021.9.24 8:34)

ヒガンバナ(巾着田にて)

ヒガンバナ(巾着田にて)
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F3.5 1/40秒 ISO 100 -0.7EV(撮影日:2010.9.25 11:01)

ヒガンバナ(巾着田にて)

ヒガンバナ(巾着田にて)
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F3.5 1/100秒 ISO 100 -1.3EV(撮影日:2010.9.25 11:38)

ヒガンバナ(巾着田にて)

ヒガンバナ(巾着田にて)
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F2.8 1/30秒 ISO 100 -0.3EV(撮影日:2010.9.25 11:42)

我が家の庭で咲く花々(シュウメイギク、ヤブラン、ヒガンバナ)

我が家の庭で咲く花々(シュウメイギク、ヤブラン、ヒガンバナ)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1 / 絞り優先AE F8.0 1/160秒 ISO 800 +1.0EV(撮影日:2025.9.30 9:56)
-----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------

東京ゲンジボタル研究所 古河義仁/Copyright (C) 2025 Yoshihito Furukawa All Rights Reserved.