トンボの写真を撮るとき、枝先に止まってくれれば、逃げられないようにそっと近づいてシャッターを押せば撮れるが、いつまで経っても止まらないトンボは、飛んでいるところを撮るしかない。ただ単に写れば良いというのではなく、できれば何トンボなのか、種類が分かり、その特徴も写したいと思うが、そう簡単ではない。この投稿では、いくつかピックアップした写真と私の撮影方法を記したいと思う。
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Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F4.0 1/500秒 ISO 800
飛んでいるトンボの写し方にはいくつかの方法がある。まず、トンボの周囲の環境も一緒に撮りたいのか、あるいはトンボをアップにして撮りたいのか決めなければならない。それによって前者は広角レンズ、後者は望遠レンズを選択する必要がある。どちらにするのかは撮影者の目的による。
広角レンズは被写界深度が深いので、トンボにも背景にもピントが合うが、画面に占めるトンボの割合が小さいと、写真を見ただけでは何トンボなのか分からないような写真になってしまう。トンボに近づいて大きく写せば、背景は幾分ボケてしまうから、何ミリの広角レンズを選ぶか、そして背景とトンボとのバランスが重要になる。
私は、フィッシュアイは持っているが、マクロも撮れる広角レンズは持っていないため、トンボの飛翔を撮る時は、いつも望遠レンズを選択するしかないのである。
トンボの飛翔を撮る場合、種類によっては撮りやすいトンボがいる。空中で静止飛翔、いわゆるホバリングするトンボである。短ければ数秒だが、長いと10秒近くも同じ位置でホバリングしてくれる。止まっているのだから撮りやすいが、どこでホバリングするのかを見極める必要がある。
私は、図鑑的写真を撮りたいので、頭の先から尾の先端までピントが合い、触覚や細毛までブレることなく細かく描写すること、そして色彩等の特徴も分かるように真横から撮ることが多い。素早く飛び回りながらある場所で数秒間静止飛翔するトンボを真横から狙ってピントを合わせてシャッターを切らなければならない。最新のデジタルカメラならば、被写体と認識したトンボにピントを合わせ、動きを追尾するAI自動追尾機能やオートフォーカスが早いAF駆動用超音波モーターのレンズであれば、簡単に最良の画像を撮影することができと思われるが、私の機材はそうではない。
カメラはCanon EOS 7D、レンズは中古で購入した古いトキナーの単焦点300mmの組み合わせが多い。三脚にカメラを固定し上下左右にカメラを動かせる状態にする。置きピンではなく、左目でトンボを追って右目でファインダーを覗きながら画角に収まったらマニュアル・フォーカスでピントを合わせる。ピントリングは左手の親指で瞬時に回し、ピントが合ったと思ったらシャッターを切るのであるから、カメラやレンズの性能ではなく撮影者の勘と腕が試される。
以下の写真は、ホバリングするトンボの飛翔写真である。(トップに掲載したルリボシヤンマもホバリングを行う)

Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F5.0 1/500秒 ISO 640

Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F6.3 1/400秒 ISO 400 +1EV

Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / シャッター速度優先AE F4.0 1/250秒 ISO 400 E-TTL評価調光

Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F8.0 1/1000秒 ISO 1250

Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F6.3 1/400秒 ISO 200

Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F8.0 1/500秒 ISO 1000

Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F6.3 1/500秒 ISO 500

Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F4.0 1/500秒 ISO 200
トンボは、まったくホバリングを行わずに飛び回る種類の方が多い。図鑑的写真を撮るのはかなり難しいが、種類によっては写すチャンスはある。1つは、飛んでいるときに弱い向かい風に乗って 静止飛翔する場合があるので、その時を狙うのである。もう1つは、同じ場所を何度も行ったり来たり反復飛翔する種に対してであるが、通過する場所にカメラを向けたまま、ある位置にピントを固定(置きピン)して、トンボが通過した時を見計らってシャッターを切る方法である。
以下のコシボソヤンマの写真は、比較的若い個体が見せる習性を知った上で、置きピンで撮影したものである。

Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F5.6 1/400秒 ISO 200

Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F8.0 1/320秒 ISO 3200 +0.6EV

Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1 / シャッター速度優先AE F2.8 1/250秒 ISO 400 E-TTL評価調光

Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1 / 絞り優先AE F5.6 1/500秒 ISO 200
最後は、雌雄の連結飛翔(タンデム飛翔)の写真を挙げておきたい。図鑑写真でありながら、生態写真でもあろう。

Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F6.3 1/400秒 ISO 640 +2/3EV

Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F8.0 1/500秒 ISO 640 +1.3EV
どのトンボであっても、どの撮り方であっても、飛んでいるトンボを撮るという作業は、写真を趣味似ている者にとっては楽しいひと時である。トンボの生きている瞬間、躍動感ある一瞬を記録として残すことにも意味がある。
まだまだ撮影していないトンボは多い。また、他の昆虫でも飛翔の瞬間を写すこともできる。少しずつ挑戦していきたい。
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