ホタルの独り言 Part 2

ホタルをはじめ、チョウやトンボなどの昆虫、自然風景の写真を掲載しています

ホタル泥棒も喜ぶ民間気象情報会社の無責任なサービス

 ある民間気象情報会社が、ホタル情報を配信する携帯電話向けコンテンツを昨年に引き続き、今年もスタートさせている。そのサービスの目的は、「季節の風物詩であるホタルの鑑賞を通じ、季節を楽しんでもらうこと。」であるという。

 コンテンツにはいくつかのサービスがあり、1つは、都心から観光地まで全国100ヵ所のホタルスポットのホタルの発生数や交通アクセスを随時配信するもの。
 もう1つは、160万人の会員による口コミ情報でホタルの穴場スポットを配信する。これによりガイド本にもサイトにものっていないホタル情報をチェックできるという。また、カメラ付き携帯電話で撮影したホタルの画像を募集する投稿コーナーなども用意している。

 ホタルの生息地(発生地)には、色々な場所がある。
①観光客誘致、町おこしのためにホタルを利用した場所、
②ハウス内や庭園で人工飼育した場所、
③自然発生しているが保全団体によって管理されている場所、
④誰も管理することなく自然発生している場所・・・
 都心から観光地まで全国100ヵ所のホタルスポットの紹介は、①と②が中心であると思われるが、これは紹介される側も望んでいることだから問題はない。しかし、口コミ情報でホタルの穴場スポットを配信することには、大きな疑問を感じる。

 ホタルの生息地(発生地)は、公表していい場所と、公表を慎重に検討しなければならない場所があるのである。学者でさえ論文に記載することをためらうのである。誰も管理することなくガイド本にもサイトにものっていないホタルが自然発生している場所が公表され、大勢が押し掛けたらどうなるだろうか。また、昨今のホタル泥棒を喜ばせることにもなる。

 ホタルの減少や絶滅の原因は、環境破壊や悪化が一番の理由だが、次は、鑑賞者のマナーなのである。車のライト、携帯電話の明かり、カメラのフラッシュ・・・
これまでこれらマナーの悪さをどれほど目の当たりにしてきたことか。そのためにホタルが極端に減ってしまった場所をいくつも見てきている。また、ホタルを見ればどうしても欲しくなる。一人が1匹ずつ持ち帰るとしよう。500人が訪れればそこのホタルはすべて捕られてしまうかもしれない。

 企業では、「希少な昆虫となったホタルを鑑賞する際のマナーなども呼びかけていく予定。」と言っているが、カメラ付き携帯電話で撮影したホタルの画像を募集しているのは、一体何なのか?

 人間は自分勝手な生き物である。守らせるのは簡単ではない。口コミ情報をどう分析し、どのような判断のもので配信するのかは解らないが、何でもかんでも配信するのであれば、この企業は無責任他ならない。自分達はホタルを保全する活動することなしに、情報を垂れ流すばかりである。人々を喜ばすだけで、ホタルを滅ぼしてしまうかもしれないサービスを展開する企業をどう評価すればいいのであろうか。

東京ゲンジボタル研究所/古河義仁  「東京にそだつホタル